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幸せのちから

 ウィルスミス主演の「幸せのちから」。
 この映画を観終わって、ふと、タイトルを見て、考えさせられました。
 主演ウィルスミスが演じるのは、この実話の映画の主人公、クリス・ガードナー。彼は、妻に出て行かれ、住処を失い、食べるものさえも、ままならないホームレス生活の中、それをひた隠し、証券会社の半年間の仲買人養成コースを受講する。20人の定員中たったの一人しか、仲買人としての社員には登用されない、過酷な養成コース。
 クリスは、愛する我が子との、幸せを勝ち取るために、売れずに残った骨密度測定器を、なんとか一台ずつ売りながら、ぎりぎりで食にありついて、養成コースをこなす。養成コース受講中も、証券を提案できるお客さんを発掘しなければならない。ほんとうに過酷である。
 この期間中、父子が生きていくための糧を稼ぐ大事な商品である、骨密度計測器を、2台も盗まれてしまう。引っ越した安いアパートも、家賃を滞納し追い出されてしまう。養成コースの講師には、事あるごとに雑用を頼まれてしまう。
 クリスは、ただ、我が子との「幸せ」のために、このまだ訪れぬ「幸せのちから」に突き動かされ、たった一人の仲買人に選ばれるための養成コースと、我が子とのホームレス生活を、こなしていく。
 「幸せのちから」は、ホームレスになった父を、けなげに信じて苦労の生活を共にしてくれる愛する我が子と、必ず幸せを勝ち取るんだという信念のこころなのだろうか。
 現代の社会において、親の子は何にでも恵まれているという常識が、実は、常識とはかけ離れた不自然な幻に見えてくる。今、私は信ずるものを取り違えているのかもしれない、そう思えてならなくさせる映画なのだ。
 親の子は物質的にも精神的にも恵まれてはいないのではないだろうか。ほんとうに恵まれているとは、どういうことなのだろうか?
 だから、親の愛情にだけでも、子は恵まれていて欲しいと願わずにはいられない。
 単純に、私は、我が子には、親に全幅の信頼を寄せていて欲しいと思うし、信頼してもらえるような関係を築きたいと思う。
 このささやかな希望を現実のなかで、実践して実現していきたい。

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